SHOCK2018個人的総括

 

【2018年3月31日別ブログにて公開、2018年5月24日移転済み】

 

 


それでも祈ってしまうのは何故だろう。

 

この華やかなステージが、この幸せそうな笑顔が、ずっと続きますように。

いくら祈ってもあの事故は起きる。


コウイチ、消えないで。

いくら祈っても、願っても、その姿は夜の海に溶けていく。


すべてわかっているはずなのに、それでも祈ってしまうのは何故だろう。

 

 

私がSHOCKに通うようになってからもう何年も経つ。
その度にコウイチは全身全霊で生きて、そして死んでいく。
私は1日だってそれほどまで全力で生きたことはない。それが毎日、毎年、何千公演も繰り返されている。
ストーリーも私なりに理解して、印象的な台詞なら諳んじて言うこともできる。そう、筋書きは決して変わることなく繰り返される。それでもどうしてだろう、幕が上がると同時に「あぁ、このままずっと続けばいいのに」と祈らずにいられない。

 

ここ2年くらいは「一つ苦しめば一つ表現が生まれる。一つ傷つけばまた一つ表現が作れる。ボロボロになる、その度に輝けるんだぞ」「疲れた時は休めばいい。迷った時は立ち止まって振り返ってみればいい。1歩踏み出せば、また走っていけるのだから」という台詞に泣かされていたのだけれど(某KAT-TUNさんの某充電のせい)、今年は屋上で流れ星を見かけた時にリカがぎゅっと祈るシーンで欠かさず号泣してしまった。何故だかよくわからない。とにかく今年は「祈る」という感情が色濃いSHOCKだった。

 

 

 

さて、2018年SHOCK総括と銘打ってみたが、まずはじめに言及しなくてはならないのはもちろんキャストの変化だと思う。


ライバル ユウマ

どうしても今までのSHOCKがちらついてしまう。ごめんねユウマ。あまりに力量差がありライバルとはやはりとても思えなくて、「コウイチに人一倍憧れているのに届かないことも自分が一番よくわかっている若者」と言う設定に(勝手に)切り替えて観ることにした。

私がライバル役で一番好きな台詞が「リカ頼む、お前の手で俺のこと殺してくれよ。じゃないと俺もう……救われねぇんだよ……」なんですが(暗い)、それがちょっとね?今回は、あの、その、背伸びしてるなって……。

でも!でも!!優馬さんの成長は凄い。千秋楽前と初日じゃえらい違った。初日の優馬さんの緊張桁違いだったんだろうなと今更思う。
SHOCKの経験って100%価値があるし、ましてやライバルなんて大役を経た彼ならこれからもっともっと大きくなっていけると思う。私は勝手に優馬さんはヒロム舞台で座長やる方の人間だと勝手に思ってるから、その日を勝手に楽しみにしてます。

 


オーナー 久野綾希子さん

久野さんのオーナー役はとにかく「母性」に偏っているように感じた。
SHOCKの一番の恐ろしさはオーナーの存在感(つまりショービジネスという魔物)だと思っているので、物足りなさを感じた。
美波里さん帰ってきて〜〜〜〜;;;;
でも久野さんの優しさは今までのSHOCKにはないものだったのでそれはそれで新鮮だった。

 

 

リカ 瀧本美織さん

 お声が素敵。そう、お声が素敵。

 

 

他にもアンサンブルの皆さんも入れ替わり、また新たなバランスとなったのだと思う。その中で均整をうまくとって、それこそ台詞や歌のハモりも考え直して挑んだ2018年のSHOCK、やっぱり世界で一番大好きなミュージカルだと改めて感じた。

 

 

備忘録

ここからは個人的な気が付いたことのメモ書き。

・コウイチが幻(というか死んでいる)と気が付いているのはリカとオーナーだけではなく、コシオカも。コシオカはユウマのショーのあと再会を喜んでコウイチの手を握った時にハッとしている。そのあともずっと会話が進むたびにその冷たい手を思い出しては混乱しているようだった。他のメンバーは全く体が触れていないためリカがコウイチを刺した時に初めて知る。ハットやステッキ、衣装をわざわざ投げて渡すのは接触していないことを強調するためだったのか……

・New York Dreamで紗幕の裏でユウマたちが同時に踊っているのはユウマのショーで同時にパフォーマンスしているということ。途中からユウマたちは後ろを向いて踊り、曲が終わるとスクリーンに幕が降りる様子が映り、ユウマは苛立つように去っていく。いつの間にかバックステージ側からユウマのショーを見ていたという構図になっているのが面白い。


*今年、「コウイチの最後のショーでは本当はコウイチはもういなくて、カンパニーにしか見えていない」という視座(仮定)で観てみたのだけれど、確かに「コウイチはいない」としても成り立つ立ち位置だったり演出だったりもするけれど、あのショー特有の「この世のものとは思えない」数々の事柄の説明ができず詰んだ。冒頭真っ赤な幕が飛び去るのも、フライングが多く用いられているのも、夜の海のあの儚く煌めく透けた衣装も、多分コウイチを絶妙にあの世とこの世の間の存在と象徴しているのかなと思う。いまいちよく説明できない。そもそもあのショーは上演されたのだろうか?誰かの夢?幻想?オーナーだけが観たとか?今後もあの最後のショーをじっくり見届けていきたいと思う。(とは言ってもいつも号泣必至であまりよく見えていない)(もう少し落ち着いて観たい)

 

 

 

余談

2月に日本でも公開された映画The Greatest Showmanで「Show must go on.」という台詞が実在していて感激した。確か「幕は上がっているぞ」だか「幕は開いているぞ」と訳されていた気がする。最高〜〜〜〜!!